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ポールスターⅠ レッスン7 [教科書 Communication 和訳]

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こんにちは、コミュニケーションの試訳を掲載します。




[PART I[1]]

 大学生はたくさんのおもしろいことを学ぶものです。けれども、彼らは社会に役立つこ

とを学ぶのでしょうか。この話は、そんな疑問に答えてくれることでしょう。

 

 関東学院大学の3人の女子学生―玉置明日美さん、相川翔子さん、杉本海夢さん―は食物

と健康について研究していました。課程の終わりのことを考えると、彼女たちにはひとつ問

題がありました。卒業論文を書かなければならなかったのです。問題は、どんな話題につい

て書くか、ということでした。

 

 

 彼女たちは、たとえばお年寄りのための食べ物といったような、なにか社会に役立つこと

を選びたいと思いました。彼女たちは、アドバイスをもらいに彼女たちの先生である松崎政

三教授のもとに行きました。教授によれば、その分野でなにか新しいことを見つけるのは難

しいだろう、ということでした。それでも、女子学生たち[2]はあきらめたくはなかったの

でした。

 

 

 

 「それでは、アイスクリームはどうでしょう」と教授は言いました。アイスクリームは

お年寄りでも簡単に食べることができますが、それには難点があります。アイスクリーム

はとても早く溶けてしまうので、病院でお年寄りのお世話をしている看護師さんたちがア

イスクリームを食べる介助をするのに難儀しているのです。女子学生たちは、これを挑戦

と捉えました。「もしかすると、室温でもすぐには溶けないアイスクリームをつくること

ができるかもしれない!」と彼女たちは言いました。

 

 

 

 

 

[PART II]

 実際、簡単には溶けないタイプのアイスクリームは既に存在していました。3人の女子学

生たちは、それを買って試してみました。けれども、それはまったくほんとうのアイスクリ

ームらしくなかったのです!それは、どちらかと言うと冷凍したゼリーのようでした。味も

よくはありませんでした。

 

 

 

 なにか新しいものをつくらなくてはならない、彼女たちは実感しました。彼女たちは、

アイスクリームのつくり方を学び始めました。また、室温でもすぐには溶けない材料を探

しました。

 

 アイスクリームのもっとも大事な材料は牛乳と、卵と、砂糖です。女子学生たちは、豆

腐について調べ、ほかのたくさんのものについても調べました。彼女たちは、これらの材

料でさまざまなタイプのアイスクリームをつくるのに長い時間を費やしました。新型のア

イスクリームをそれぞれ凍らせてから、それが溶ける時間を計測しなければなりませんで

した。

 

 

 すべての実験を行うことで、彼女たちは何ヶ月も忙しいままでした。実験にそれほど多く

の時間を費やすのは彼女たちにとって容易なことではありませんでした。4年生として、彼

女たちは就職活動もしていたからです。

 

 

 

[PART III]

 女子学生たちはその夏、たいへん熱心に研究しました。すぐには溶けないタイプのアイスクリームをつくることに成功しましたが、彼女たちはうれしくはありませんでした。それは、ほんとうのアイスクリームのような触感も味もしなかったのです。

 挑戦しつづけなければならないことが、彼女たちにはわかっていました。ほかの材料を使って後で、ゼラチンと寒天がうまくはたらくことを彼女たちは突き止めたのでした。それらはいずれもアイスクリームのように口の中で溶けました。それらを加えて、女子学生たちは実験をつづけたのでした。

 11月までに、病院のお年寄りのもとを訪ねて、最新型のアイスクリームを試してみる準備ができました。最初の患者さんがアイスクリームをいくらか食べました…すると、このアイスは売っているのですか、と尋ねてきました。「いいえ、まだなんです」と女子学生のうちのひとりが答えました。「それなら、発売されたらきっと買います」と患者さんはつづけました。2人目の患者さんがいくらか食べました…それからこう言いました。「もう少しいただけませんか」と。

 こうしたお年寄りのことばに、女子学生たちは感涙しました。3人の学生たちが、じぶんたちはとうとううまく行ったのだとわかったのは、まさにその日のことでした。

 

 

[PART IV]

 20131月までに、その新しいアイスクリームの知らせがお年寄りのための食べ物を

つくっている或る会社に届いたのでした。彼らはそのアイスを市場に出そうと話し合う

ために、松崎教授に会いに来ました。これは、3人の女子学生たちにとってはうれしい

おどろきでした。

 

 

 8月に、新しいアイスクリームは初めて市場に出回りました。それはすぐさま大ヒット

商品となったのでした。初年のうちに、450,000個以上を売り上げました。彼女たちの

アイスクリームがそれほどよく売れるとは、だれも想像していませんでした。

 

 卒業してから、女子学生たちはどうしたのでしょうか。2人は栄養士[3]となり、1人は

飲料業界へと巣立っていきました。その後の彼女たちの説明によれば、アイスクリームを

つくるこのプロジェクトの経験が、彼女たちにとって、とてもたいせつなものになったと

いうのです。それを通じて、じぶんの仕事に自信をもつことを学んだ、と翔子さんは言い

ました。人びとが食べ物を楽しんで、よく食べることをお手伝いしたい、と海夢さんは言

いました。明日美さんはといえば、ほかのひとたちの意見に耳を傾けることがたいせつだ、

ということを学んだのでした。

 

 



[1] 本章で述べられているできごとについては、インターネットで検索すると、たとえば

http://www.townnews.co.jp/0110/2014/05/01/234480.html

のような記事が見つかる。この訳文の人名表記は上記の記事にしたがった。

[2] 文字通りには「その若い女性たち」だが、あまりにも不自然なので、この訳文では以後このように言う。

[3] 現行の制度では栄養学について所定の課程を修めた者が、都道府県知事に登録(register)し、免許を受けることで栄養士になれる。

 

意志ある者は飛べ




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