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ポールスターⅠ レッスン8 [教科書 Communication 和訳]

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ポールスターⅠのレッスン8です。

参考にしながら、頑張ってください。

 

 

[PART I]

 英語辞典に ‘haiku’ という単語が載っているのを知っていましたか。その単語は、長いあいだ辞書に載っているのです。英語で書かれた初めての俳句は、100年以上前にあらわれました。

 日本の詩で、もっとも人気がある種類のひとつに、俳句があります。「俳句」というその名前は、19世紀の終わりにかけて詩人である正岡子規によって導入されたのでした。彼は日本初の俳句の雑誌を出版しました―そして、その形式をさらに知らしめたのでした。

 英語圏の国ぐにに住むひとたちは、いつこの詩の様式を知るに至ったのでしょうか。その語は1899年に初めてオックスフォード英語辞典にあらわれました。後年、多くの有名な日本の俳句が英語に翻訳されたのでした。英語圏におけるそれらの人気は、次第に広がっていきました。

 池についての有名な俳句を知っていますか。詩人である松尾芭蕉によって書かれたものです。こちらにあるのは、ひとつの英訳です。

 

            Old pond (古池や)

            Frog jumped in (蛙飛び込む)

            Sound of water (水の音)

 

 事実、この詩には多くの英訳があります。こちらの翻訳は、19世紀末に日本にやって来た作家の手になるものです。彼の名は、ラフカディオ・ハーンでした。

 

 

 

[PART II]

 20世紀半ば以降、英語によるhaikuはアメリカの学校でしばしば教えられてきました。haikuを教室で使うのにはいくつかの利点があります。第一に、生徒たちがじぶんの考えを簡潔に表現することを学びます。英語のhaikuではたったの3行しか使えません。第二の利点は、haikuを書くことを通じて、生徒たちがものごと見つめて、それらについて考えるのがうまくなることです。最後に、haikuはしばしば自然についてのものなので、生徒たちは自然の世界のことをよりよくわかるようになります。

 ヨーロッパでも、haikuは長いあいだ人気があります。ベルギー出身の有名なhaiku作家に、ヘルマン・ファン・ロンプイ[1]がいます。欧州議会の議長として、国際会議で場を和ませようと、彼はときに公の場でhaikuを読み上げました。2011528日、日EU ‘Kizuna’ サミットで、彼は自らが書いた次のhaiku[2]を読み上げました。

 

            The three disasters (3つの災厄)

            Storms turn into a soft wind (嵐はやわらかな風に)

            A new, humane wind (新しき、やさしき風に)

 

 彼はそれを、東日本大震災の結果、苦しんでいるすべての人びとのために書いたのでした。

 

 

[PART III]

 haikuは、異なる国の人びとが友だちになるのを手助けしてくれます。2010年、「日EU英語俳句コンテスト[3]」と呼ばれるコンテストがありました。第1回のコンテストのテーマは、「日EU関係」でした。コンテストは大成功で、それから何度かコンテストが開催されてきました。

 第2回のコンテストのテーマは、「‘Kizuna’―絆」でした。こちらは、2011年の最優秀賞を獲得したhaiku[4]です。

 

            Delightful moments (嬉しい一時)

            Learning how to say thank you (「ありがとう」の言い方を)

            In dozens of languages (いくつもの言葉で覚える)

 

 このhaikuは大湯俊介という学生によって書かれたのでした。コンテストを開催した人びとが、彼をベルギーに招きました。滞在中、haikuは世界中の人びとによって楽しまれうる、ひとつの芸術のかたちなのだ、と彼は実感しました。

 帰国後、俊介さんは対談をしました。この日本文化のかたちがこれほど多くの国ぐにでこれほど人気があることにおどろいている、と彼は言いました。

 

 

[PART IV]

 英語でhaikuを書いてみたくなりましたか。高校生のhaikuコンテストに参加しましょう。次の俳句は渡邊怜さんによって書かれたもので、これらのコンテストのうちのひとつ[5]で最優秀賞を受賞しました。

 

            Mother’s day (母の日に)

            A bunch of flowers given (花束贈る)

            From a rebellious youth (反抗期)

 

 英語によるhaikuの決まりはどのようなものでしょうか。始めに、ご存じのように、英語のhaiku3行から成っています。この数字は、典型的な日本の俳句が3つの部分から成っているという事実から来ています。第二に、それぞれの行は短くなくてはなりません。もし長かったならば、その味わいが日本の俳句とはかけ離れたものとなってしまうことでしょう。第三に、たいていは現在形の動詞が使われます。これは、過去のできごとにも当てはまります。過去形を使うと、あまりにも遠い感じがしてしまうのです。

 もちろん、haikuを書く段になると、ほかにも考えるべきことがあります。けれども、これら3つの決まりが、いちばんたいせつなものなのです。さあ―英語でhaikuを書いてみてはいかがですか。



[1] 元ベルギー首相で、欧州理事会初代常任議長。オランダ語で俳句をつくる活動も行っている。

[2] この英文で書かれたhaikuについては直訳のみ掲げた。575の日本語の俳句の形式に整えた訳文をつくるには訳者の文学的素養が欠けていたからである。

[3] 日本国外務省が開催しており、同省HPにこの日本語名が掲載されているので、そのまま訳語として採用した。

[4] この「仮訳」は外務省HPによる。また、大湯俊介氏(現在、コネヒト株式会社CEO)の名前も掲載されている。

[5] 2013年開催の「第5回山寺芭蕉記念館英語俳句大会(‘5th Yamadera Basho Memorial Museum English Haiku Contest’)」を指す。作者の渡邊怜氏はこのとき山形県鶴岡市に所在する鶴岡東高校2年生。haikuの日本語訳は作者自身によるもの。

 

 

意志ある者は飛べ




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