ランドマークレッスン7 [教科書 Communication 和訳]
Lesson 7 屋久島エコツアー
(Part 1)
みなさま,おはようございます。屋久島へようこそ!私どものエコツアーにご参加いただき誠にありがとうございます。私の名前は鈴木ケンタで,みなさまのツアーガイドを務めます。最初に,短時間のオリエンテーションを行います。そのあと,ツアーを始めます。明日の夕方,この事務所へ戻ってまいります。
ところで,「エコツアー」とは何かご存じでしょうか。それは人々が自然環境にもっと多くの責任を負うことが求められる旅行のことです。言い換えますと,ツアー中,私たちは自然環境を傷つけないよう,もっと気をつける必要があるということです。屋久島は1993年に日本初の世界自然遺産に登録されました。そのとき以来,この島への観光客数は非常に増加しています。もちろん,これほど多くの観光客をお迎えしてとてもうれしいのですが,このことでいくつかの問題が起こっています。たとえば,いくつかの山道沿いの植物が観光客に踏まれ,傷つけられています。ですから,ツアーを始める前に,みなさまにエコツアーの意義をご理解いただきたいのです。
(Part 2)
それでは屋久島の地形を見てみることにしましょう。これが島の写真です。屋久島は緑の森に覆われた円形の島です。島(の面積)は約500平方キロあります。屋久島を東京や大阪と比較すると,その大きさがおわかりいただけます。島には,1,000メートルを超える高さの山が40以上あります。そのため,屋久島は「海のアルプス」と呼ばれているのです。
屋久島の気候は通常1年を通して温暖多湿です。年平均気温は沿岸部で20度,中央部で15度です。驚いたことに,冬には山頂部で気温が氷点下に下がることがあります。この期間,山頂部は雪に覆われます。屋久島は雨が多く,「1か月に35日雨が降る」と言われています。湿度は高く,平均約73から75パーセントです。年降水量は低地部で約4,000ミリです。山間部では,約8,000から10,000ミリです。こうした気候が,その地形とともに,屋久島に独自の生態系を作り出したのです。
(Part 3)
次に,私たちがこれから向かう3つの場所をお見せしましょう。この写真をご覧ください。写真には何か神秘的なものが見えるでしょう。これは白谷雲水峡で,厚いコケのじゅうたんが敷かれた深い森です。「もののけ姫」というアニメ映画をご覧になったことがありますか。この映画を作っていたとき,監督の宮崎駿はこの神秘的な森に強くインスピレーションを受けました。今日の午後そこに行く予定です。
次の写真はウィルソン株で,直径4.39メートルの大きな切り株です。切り株の内部は空っぽで,中に入ることができます。驚いたことに,そこでは地面から少量の水が湧き出ているのを見ることができます。また,小さな祠(ほこら)も見つかるでしょう。この木は1586年,方広寺の建立のために豊臣秀吉の命令で切り倒されたと言われています。ところで,その切り株がウィルソン株と呼ばれている理由をご存じですか。有名な植物学者のウィルソン博士の名をとって名づけられました。彼は1914年にこの切り株を世界に紹介した最初の人物でした。この場所もきっとお楽しみいただけると思います。
(Part 4)
最後の写真は,みなさまもご存じのとおり,縄文杉です。屋久島で最も古くて大きな杉の木の1つです。1966年に発見されました。それがどれくらい古くて大きいか想像できますか。それは樹齢2,000年から4,000年と考えられています。中には樹齢7,200年と言う人もいます!高さは25.4メートル,直径は5.2メートルあります。明日,ツアーでこの木を探します。
江戸時代,屋久島の人々は杉の木を切り倒し始めました。屋久島には米栽培に向く土地がほとんどなかったので,米の収穫高が低かったのです。そのため,年貢(土地税)として杉の板を差し出さなければなりませんでした。幸運にも,樹齢1,000年を超える杉の中には,板作りに適さなかったために,当時切られずに残されたものもありました。そういうわけで,縄文杉だけでなく,そういった木も今なお見ることができるのです!
非常に残念ですが,縄文杉に触れたり近づいたりすることはできません。遠くから見ていただくことしかできません。それはなぜかと言いますと,多くの観光客が根を踏んで,木を傷つけたからです。こうした事実は,私たちにエコツアーの意義を考えさせてくれます。
これでオリエンテーションは終わりです。何か質問はございますか。
意志ある者は飛べ!
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