ユニコーン2 レッスン6 [教科書 Communication 和訳]
ユニコーン6の和訳の練習です。
しっかりと勉強して、だいたいになっていたら平気でしょう。
人間の独自性とは何か――チンパンジー研究から
Part 1
私は日本と外国の両方でチンパンジーを研究してきた.
ここ日本でアイという名のメスのチンパンジーと一緒に研究
するだけでなく,この25年間,毎年アフリカを訪れて野生の
チンパンジーを自然の生息環境の中で研究してきた.
また東アフリカに位置するルワンダのヴィルンガ火山で野生
のゴリラを,そして東南アジアのマレーシア領北ボルネオで
は野生のオランウータンを観察してきた.人間は動物とは別の
存在であるという単純な見方に固執している人は今でも多い.
しかしそれは完全な誤りである.人間は動物界の一員である.
人間はほ乳類である.ほ乳類の中で,人間はサル目に属し,
さらにヒト科に属する.ヒト科は4つの属から成り,それが人間,
チンパンジー,ゴリラ,オランウータンなのである.ヒト科は
尻尾のないことを特徴とする.我々人間には尻尾がない.それは
チンパンジー,ゴリラ,オランウータンも同様である.日本語に
は「サル」という1語しかなく,その語によって我々はニホンザ
ルを連想する.しかし英語では”monkey”(尻尾のあるサル目)
と”ape”(尻尾のないサル目)との間には明確な違いがある.
つまり人間と3大apesは同一の科に属し,どれも”monkey”では
ないのである.