英文解釈のトレーニング 1 (解答編) [解答編]
英文解釈のトレーニング 1(解答編)
これは解答編なので、
これからご覧にならず、「英文解釈のトレーニング1(問題編)」があるので、
そちらを先に自力で解いた後に確認するようにしてください。
よろしくお願いいたします。
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さあ、みなさんの
出来はどんなだったでしょうか。
よくできましたか?
それとも
悪かったですか、難しかったですか?
なんとなくできた・・・・。
皆さんの現状によって、色々な反応があったと思います。
辞書を引いた人、辞書を引かなかった人。参考書を利用した人、しない人。
何かを利用したけれど、訳だけではよくわからない人、わかる人。
もし、訳だけだとよくわからない人は、基礎力が抜けすぎています。
早慶や難関国公立大学に受かるためには、抜けすぎているとこの問題は難しすぎます。ですから、ご自分の問題集で短文の和訳練習などを200から300題程度こなして、つまり1冊の問題集を繰り返して解いて、再チャレンジするのがいいと思います。本当に上位の難関大学に受かりたいなら、自分で突き進んでいくしかありません。
[試 訳]
彼女はどれほど母を愛していた事か。86歳になってもまだ完璧に美しかった。母が年齢に譲歩した事といえば、補聴器のみであった。母は補聴器を「私の耳」と呼んでいた。母はあらゆるものに注意深く触れた。その事で、触れられたものはより滑らかに、洗練されたものになった。母を見るといつも、彼女は季節に移ろう木々を想起した。母の衣装は幾色かの葉のようだった。わずかに黄を含んだ春の若草色、真夏の濃い緑、時として鮮やかな秋を思わせる小物を身に付ける事もあった、つまりオレンジのスカーフ、髪に飾る赤いリボン。冬にはウール、夏にはコットン。彼女は人工繊維を決して身に付けなかった。分からないのは、と彼女はよく言った、便利の名の下の怠惰だわ。結局、余分な手間がかかるし、小さな、本当の喜びが奪われてしまうのに。水を吹きかけた布に押し当てる暖かい鉄の香り、かつて生命を持っていた物が肌に触れる心地良さ。彼女は彼女自身が当たり前だと考える仕事を、しないで済ませるべきでないと固く信じていた。彼女はフードプロセッサーやクレジットカードを使おうとしなかった。野菜を刻むのは好きだし、何か買う時には、その対価を指先と手のひらに感じたい、と彼女は言っていた。
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解答には解説を加えていく予定です。
[解 答 例]
(1)母が老いには抗えず唯一受け入れたことは[母がよる年波に勝てなかったは]、補聴器の世話
になっていることだ[補聴器を使用することだった]。
もともとの直訳は「母が年齢に譲歩したことといえば、補聴器のみであった」のようになるでしょう。
ただこれでは、日本語としてちょっとぎこちないので、多少変更を加えた方がいいでしょう。
完璧なのですが、譲歩しなければならないことがあるようですね。それが年齢(86歳)ということです。
この年齢だけはどうしようもなかったというニュアンスで書いてあれば正解となるでしょう。
補聴器はどうするものでしょうか。母から見れば、利用、使用となるでしょうし、
補聴器を人間に見立てれば、補聴器が世話をするとなるでしょう。
このような点を加味して正解を考えるということです。
(2)便利さという(美)名の下に、結局は仕事を増やし、人からささやかではあるが、真の喜び
を奪うような手抜き(←怠惰、それは便利の名の下に、結局、余分な手間がかかるし、小さいけれ
ど、本当の喜びが奪われてしまう。)
(3)母は支払いをする時には、その代金(お金の重さ、ありがたみ)を、指先と手のひらで感じ
ていたかったのだ。(←彼女は何か買う時には、その対価を指先と手のひらに感じたかった。)
となります。ご参考にしていただけたら幸いです。
“意志あるものは突き進め!”
ではまた。